8 視線入力ーキャリブレーションの工夫と活用

Tobii Dynavox は GAZE POINT という視線マウスを公開しています。PCeye 5 ( およびゲーム用センサー Tobii tracker 5 ) より前に発売された視線入力装置に適用しています。
私たちが視線入力を始めた当初、
GAZE POINTでは5点もしくは9点のキャリブレーションが設定されていました。

その設定は息子には難しかったため、キャリブレーションに成功することはできませんでした。

その後、GAZE POINT がバージョンアップにより高機能となり、2点のキャリブレーションが可能になったので息子にも取り組みやすくなりました。

やがて、2点のキャリブレーションが成功するようになり、2019年ころからは、5点のキャリブレーションに成功できるようになり、その後も、ハードルを少しずつ上げながら現在に至っています。

キャリブレーションはインタラクションの起こらないプログラムなので、息子の受けは非常に悪く、画面を見ないというような拒絶反応もしばしば起こりました。

プリセットのターゲットだけでは、息子の協力をつなぎとめるのには足らず、様々な素材をターゲットに活用しました。

拝借素材のターゲット( FLRN GIF )

拝借素材のターゲット( Microsoft )  

オリジナル素材のターゲット

キャリブレーションはそもそもユーザーの3D眼球モデルを構築して視線入力装置をカスタマイズするためのものですが、定期的に取り組み、記録を残したことで、息子のターゲットへの反応や視線の巧拙がどのように変わっていったかを把握できる資料となりました。

GAZE POINT(Tobii Dynavox) によるキャリブレーションの結果

大きく、ゆっくり動くターゲット5点で測定(2019年)

GAZE POINT(Tobii Dynavox) によるキャリブレーションの結果

小さく、速く動くターゲット9点で測定(2021年)

2023.6.2 追記
Tobii Eyetracking や GAZE POINT 、TD control や Eye Gaze Setting でキャリブレーションを何回か行った場合、最新のプロファイルを使う方法のほか、過去に生成されたプロファイルから最も良さそうな結果のプロファイルを有効にする方法が考えられます。ポインティングがより
スムーズになるようです。

 

キャリブレーションの結果からポインティングの力に応じたアプリを選択するのもひとつの手です。

Sounos VALKA、 Look to Learn や EyeMoT sensory、EyeMoT ボックスアプリなど、ポインティング力が弱めでも取り組みやすく楽しく遊び学べるアプリは、上達への足掛かりを見出すことも期待できる心強い存在です。