インターネットの情報を頼りに、Tobii EyeX というセンサーを購入してみました。
視線センサーのドライバーのDLとインストールはうまくいきましたが、
PCに視線操作の信号を送るための視線マウスソフトも必要であることがわからず、混乱しました。
視線入力装置の利用に特化されたゲームソフトは、ほとんどが海外で制作された英語版のものでした。
そのなかで、島根大学総合理工学研究科・機械電気電子工学領域 助教 伊藤 史人 氏が 日本語のゲームソフトを研究開発し、
無償提供なさっていました。
視線入力訓練ができるゲームアプリ『EyeMoT_2D』を使ってみようと思いました。
ところが、的となるイラストをじっと見ることも、動くイラストを追視することも、息子には難しいことがわかりました。
行き詰ってしまいました。
どなたかに力を貸していただくことができないだろうか?私は情報を探しました。
そして、訪問大学おおきなき(現特定非営利活動法人訪問大学おおきなき)が、
学校卒業後に在宅となっている重度障害者/重症心身障害者に、
生涯学習の一端として視線入力による表現活動の支援をされていることを知りました。
私は思い切って相澤純一先生に相談しました。
そして、視線入力の取り組みについて不定期で訪問指導をしていただけることになりました。
相澤先生はマイトビー C15EYE という高機能の視線入力装置と固定具、専用の アプリケーションを指導に使われました。
マイトビー C15EYE を使うと、息子の見る力が少しずつ明らかになっていきました。
目的に適う機材やアプリケーションソフトを用いることは重要だと感じ、
Tobii dynavox のPCEye Explore という視線入力装置を公費補助を受けて購入しました。
2016年12月
画面は、Sensory Eye FX(Sensory Guru Ltd. / 株式会社クレアクト)
視線入力を始めた頃は眼振の発作が発生しやすく疲労も見られました。
外斜視の左眼はセンサーにはなかなか捕まりませんでした。
視線はふらふらと漂うように動き続けて、じっと止まれませんでした。
訪問指導により、息子の理解できること / できないこと、嬉しそうにすること / しないことが少しずつわかってきました。
好みのゲームを楽しむうちに、眼振発作や疲労は減っていきました。
センサーは両眼を捉えるようになりました。
視線のふらつきが小さくなり、注視時間が伸びてきました。
2017年6月
画面は、視線入力訓練ゲーム EyeMoT 3D 風船割り(伊藤 史人、島根大学総合理工学部 重度障害者支援チーム )
2020年2月
画面は、視線入力訓練ゲーム EyeMoT 3D 対戦ぬりえ(伊藤 史人、島根大学総合理工学部 重度障害者支援チーム )